イングリッシュホルンの活躍する古典派の交響曲 [オーケストラ]
今日は久々にオーケストラの曲におけるイングリッシュホルンについて書きたいと思います。
イングリッシュホルンが使われている管弦楽曲については、前に
http://suisougaku-nakaguchi.blog.so-net.ne.jp/2009-08-20
で書きましたが、最初に本格的に使われ出したのはロマン派以降です。ロッシーニの「ウイリアムテル」序曲や、ベルリオーズの「幻想交響曲」が有名です。古典派の時代にも楽器はありましたが、管弦楽曲の中で使われることは、まずありませんでした。
ところが、有名な作曲家の作品で、イングリッシュホルンを2本も用いているものがあります。それは、交響曲の父、フランツ・ヨゼフ・ハイドンの交響曲 第22番変ホ長調『哲学者』Hob.I:22です。
この曲は弦楽5部に、イングリッシュホルン2本、ファゴット1本、ホルン2本が使われています。つまり通常オーボエが使われるところに、代わりにイングリッシュホルンが使われているといったわけです。イングリッシュホルンが2本も使われている管弦楽曲は、僕はほかに聞いたことがありません。
全体の構成も通常の交響曲とは違っており、第1楽章が Adagio、第2楽章がPresto、第3楽章がMenuetto、第4楽章がPrestoと遅い楽章から始まっています。「哲学者」というタイトルは、第1楽章の深く思索するような曲想から、付けられた可能性が高いとのことです。
僕が持っているCDは、アルフレッド・リッツオがムジカ・サンマルコを指揮したものですが、1988年発売の輸入盤ですが、1995年に発売されたオルフェウス管弦楽団の演奏や、アンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカや、クリストファー・ホッグウッド指揮エンシェント室内管のハイドン交響曲全集もあります。
単品ではNaxosレーベルから出ているウォード指揮のCD(こちらです)、鈴木秀美指揮のCD(こちらです)が手に入りやすそうです。YouTubeやニコニコ動画では、残念ながら、ありませんでした。
全体で17分ぐらいの曲です。
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「ウィリアム・テル」、忘れていました。
フルートと絡むので発表会で取り上げても良いかなと思うのですが、オーボエの教室はあるもののイングリッシュ・ホルンを持っている人はいないだろうと思います。
(生徒は現在5人だそうです)
まあ、難しいのでいなくて幸いというのが本音ですが。
ちなみに「アルルの女」は A. Sax の譜面を作って「メヌエット」を共演しました。
by センニン (2009-11-08 11:02)
センニンさん、コメントありがとうございます。
「ウィリアム・テル」、フルートとイングリッシュホルンの掛け合いは美しいですね。
僕もオーボエ30年やっていて、この7月にイングリッシュホルンをようやく買いましたから、個人で持っている人は少ないですね。しかし、音はイングリッシュホルンのほうが、楽器が大きい分、出しやすいのです。
「アルルの女」もいいですね。メヌエットをやったのでしょうか。フルート、最高ですね。前奏曲でちょっとだけ、イングリッシュホルンが出てきます。
by ながぐつ (2009-11-08 11:30)