のだめの吹き替えをした池田昭子さんのミニコンサートに行ってきました [オーボエ独奏]
おとといの夜、のだめの黒木くんのオーボエの吹き替えを担当した、NHK交響楽団のオーボエ奏者、池田昭子(しょうこ)さんのミニコンサートに行ってきました。山野楽器で池田さんの新譜「アヴェ・マリア」を買うと、このコンサートの整理券がもらるという情報をセンニンさんからいただきました。センニンさん、どうもありがとうございました
会場となる銀座の山野楽器の7Fのイベントホールに着いたのは18:10頃、開演は18:30からでしたが100席ぐらいからなる会場はもう8割がた埋まっていました(写真)。
開演時間になると、池田さんと伴奏の石田三和子さんが登場し、軽くチューニング、早速演奏です。演奏したのは、フォーレ/シチリアーノ、ペルゴレージ/シチリアーノ、サンサーンス/白鳥、フォーレ/(すみません忘れました)、最後はカッチーニのアヴェ・マリアです。忘れた曲以外は、新譜に納められている曲です。
曲と曲の合間に、司会者が池田さんに毎回インタビューし、池田さんがマイクを持って答えてくれました。楽器を持ちながらマイクを持っていて、大丈夫か心配でしたが、杞憂でした。池田さんが話してくれたことで一番印象に残っているのは、オーケストラ、アンサンブル、リサイタルで吹き方が全然違うということ。オーケストラでは、何人ものの奏者の音の中からから、客席にソロが届かなければならないので、「結構吹いています」とのことでした。一方今回のような小さな会場では、柔らかい音色がお客様に届くような配慮をしているとのことでした。
新譜の中で、イングリッシュホルンを取り上げていることについて尋ねられると、オーボエは張りのある緊張感のある音が出せるが、新譜に納めているモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスなどは、もとが合唱曲なので、しっとりした音を出すのにイングリッシュホルンのほうが適していると思ったそうです。またイングリッシュホルンの活躍する曲として新世界の第2楽章「家路」、ラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章、ショスタコーヴィッチの交響曲(たぶん11番のことだと思う)にも4分ぐらいの長いソロがありますとおっしゃっていました。
オーケストラの中でなぜオーボエがチューニングのAを出すかについて尋ねられると、諸説あるけれど、オーボエは音が安定しているからとか管が細いので楽器が暖まるのが早いからという説もあるが、息が30秒も40秒も続くので長く音を出していられることが理由ではないかとおっしゃっていました。ながぐつは、オーボエがピッチが一番不安定だからとずっと思っていたので、これは目から鱗でした。
オーボエは、ほんの1mmもないようなリードの隙間に息を吹き込むので、他の楽器と違って息が余ってしまい、ブレスをするときには余った息を一度吐き出してから吸わなければならないので大変ですともおっしゃっていました。初心者の方は息を吸ってばかりいて苦しくなって真っ赤になっている方もいますねともいわれました(全くその通りなんです。ながぐつもよくなります。まだまだだなあ)。
のだめカンタービレでは、黒木くんがマルレ・オケのオーディションで、モーツァルトのオーボエ協奏曲をターニャのピアノ伴奏で演奏する場面の吹き替えをやっていますが、それはパリに行ってやったのかと聞かれ、「あれは、東京です」。
さて、肝心の演奏ですが、どの曲も素晴らしい演奏でした。とにかく音色が柔らかく、表現力が豊かです。特にピアニシモの美しさは筆舌に尽くしがたいものでした。お話しされていたように、会場の大きさを考えて、あまり大きい音が出ないようなリードで敢えて吹かれたのでしょう。オーボエは特に低い音を小さい音で出すのが非常に難しい楽器です。ながぐつなどがピアニシモで吹こうとすると、かすったり出なくなってしまいます。ここがアマチュアとプロの大きな違いでしょう。
ミニコンサート終了後、急遽サイン会をやっていただけることになりました。ながぐつはCDも色紙も持参してなかったのですが、店側で色紙を用意してくれていたのはありがたかったです。後ろの席に座っている人から順番にとのことだったので、ながぐつは3番目ぐらいに。何か言いたいと思ったのですが、大勢後ろに待っているし、サインを書くのに忙しいと思ったので「オーボエとアングレをやっているアマチュアです。今日の演奏素晴らしかったです。それからブロムシュテット指揮のトゥネラの白鳥がすばらしかったです。のだめも見ました。ありがとうございました。」と短く言いました。池田さんにはサインを書きながら「ありがとうございます」とおっしゃっていただきました。伴奏の石田さんにもサインをいただき「ありがとうございました」とおっしゃっていただきました。以下がそのサインです。
会場をすぐに後にせず、2FのクラシックCD売り場で、オーボエの入った室内楽のCDを5枚購入。かなり時間が経ってから店を出て、銀座の街を歩いていると、なんと池田さんと石田さんが前から歩いて来るではありませんか! ウインドショッピングをされているご様子。一瞬ですれ違ったので、ご挨拶も何もできませんでした。後ろ姿を見ると、背中に大きめのケースをしょっていました。あればおそらく、オーボエとイングリッシュホルンがはいるダブルケースだと思います。
池田さんのCDももちろん素晴らしいですが、生演奏はCD以上に繊細で感激しました。生でしか味合うことのできない体験ができで、とても幸せな年末の宵でした。
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サインまでもらっちゃっていいですね。
私はサイン貰う時にそんなにたくさんしゃべれません。
みとれて口ポカンとあけてます。
ながぐつさん
すれ違うと一瞬ですが、くるりと反転して並行して歩いてCD鞄から取り出して再度御挨拶しながらサイン頂くってのもよかったですね。
by hideta (2009-12-30 11:06)
hidetaさん、こちらのブログまでたびたびお越しいただきまして、ありがとうございます。
そうか、少し迷惑かもしれないけれど、追っかければ良かったですね~。ああ惜しかった。とっさのことで、そこまで判断がつきませんでした。
すごく良かったので、もっといろいろお話ししたかったです。
by ながぐつ (2009-12-30 14:02)
こんばんは。
詳細なリポートありがとうございます。
今度 CD を聴きながらもう一度読んでみますね。
オーボエでのチューニングの理由、なるほどです。
私は音が通る事と音程の微調整の難しさが理由と思っていました。
私もサインをいただくときは一言何かお話しする事にしていますが、先日の千住真理子さんは一秒で終わってしまいました。
by センニン (2009-12-30 20:55)
センニンさん、コメントありがとうございます。
センニンさんがブログで書いてくれたお陰で、良い思い出ができました。改めて御礼申し上げます。
チューニングですが、音が通ることは、池田さんもそういう説もあると、おっしゃっていました。ピッチの調整の難しさは、ながぐつがずっと思っていた理由なのですが、池田さんは逆のことを言われたので意外でした。
サインいただくときの一言って、向こうは筆を走らせていますから、難しいですね。でも黙っているよりもきっと何か言ったほうが、向こうも嬉しいですよね~。
by ながぐつ (2009-12-30 22:32)
チューニングの理由・・・私も初めて知りました^^
by ユーフォ (2009-12-31 00:33)
幸せな気分が伝わってきます。
良いコンサートに行けて、サインもいただけて良かったですね!
ながぐつさんには大変勉強になることばかりだったのでしょうね。
by Cecilia (2009-12-31 01:22)
ユーフォさん、コメントありがとうございます。
ながぐつのような下手なオーボエ吹きにとっては、最初のチューニングは、ものすごく緊張します。何せ大ソロですからね。変な音、ピッチの悪い音をいきなり出したら恥ずかしいですので(^_^;)
by ながぐつ (2009-12-31 06:44)
Cecilliaさん、コメントありがとうございます。
いや~、ほんとに良かったです。大変勉強になりました。池田さんのファンクラブでも作りたいくらいです。良い1年の締めくくりになりました。
Cecilliaさんもどうぞよいお年をお迎えください。
by ながぐつ (2009-12-31 06:46)