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日本の芸術政策に思う [その他]

今日の朝日新聞に「政権交代、芸術に余波、英仏の文化政策(上)」という記事が載っていました。

英仏でも政権交代によって、予算が削減されたり、逆に手厚くなったり、変化があるようです。

イギリスでは、全労働党政権が決めたストーンヘンジ訪問者センター整備や英国映画協会フィルムセンター整備を中止しており、今後は民間の慈善的資金を増やす方向にあるようです。

フランスでは、サルコジ大統領が芸術政策に熱心で2008年度から「芸術史」の授業の義務化を始めたそうです。文化予算は他の予算が削られる中で聖域扱いされ毎年増額されています。一方で文化省は組織を12局から4局にスリム化し職員を減らすとか。しかし伝統芸術であるオペラ、絵画、映画と言った「ハイカルチャー」偏重との指摘もあるようです。

日本の文化産業(音楽、映画、ファッション、デザインなど)の全産業に占める売上高の割合は7%(2004年)だそうで、結構な割合を占めています。文化の振興は、経済も押し上げる効果があるようです。

日本でも政権交代で、いわゆる「アニメの殿堂」の建設が中止・縮小されました。別の文化事業が、事業仕分けの対象になり、小澤征爾さんが記者会見して訴える場面もありました。日本の文化予算はフランスの1/3だそうです。商売として成り立たないけれども、国民の心を豊かにすることにこそ、政府は力を入れるべきではないでしょうか。

確かに「アニメの殿堂」のようなハコモノを作る時代は終わったと思います。ハコモノを作って、建設業者の仕事を増やすのは、20世紀の開発偏重、利益誘導型の政策で、そういうことはもう必要ありません。しかしソフト的政策は重要です。都市に住む人も地方に住む人も分け隔て無く芸術に触れる機会を提供するといったソフト的な政策にお金を使うことが必要ではないかと思います。

芸術で食べていける人が増えれば、芸術を学ぶ人も増え、社会の成熟度が一層増していくと思います。価値観が多様化する中で、芸術と言ってもハイカルチャーからローカルチャーまでさまざまであり、どこまで行政が支援するか、役割分担についての議論は必要と思いますが、ながぐつの考えでは基幹的なハイカルチャーは国、ローカルチャーは自治体という考え方もありうるのではないかと思います。自治体は地域の特性に合わせて地域独自の発想で文化芸術を振興していけばいいと思います。まさに「”ローカル”チャー」ですね!

美少女アニメ・美少女イラストで町おこしをしている秋田県羽後町は有名ですが、漫画やアニメでの町おこしは前からありますし、「ゆるキャラ」を地域のシンボルとするところが増えていて、ゆるキャラコンテストが彦根で毎年行われているようです。

伝統文化にこだわらない新しい芸術の波を、地域から起こしていって欲しいと思います。

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