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しばすい第12回定演、ドキュメント(その3:第2部) [吹奏楽]

今日は雨の中、9時から16時まで屋外で自然観察の授業でした。あまり疲れていないはずなのですが、ボッとしたのか、ほとんど完成していたこの記事が全部消えてしまいました。ショック(T_T)

さて、気を取り直して、今回はしばすい、こと芝浦工業大学文化会交響吹奏楽団の第12回定期演奏会の3回目、第2部の模様を書きます。

しばすいの定演は3部構成ですが、第2部がメインで、大曲をやります。今回はこのブログでも何回か書いているとおり、ヴァンデルローストの交響詩曲「スパルタクス」です。スパルタクスは古代ローマのの剣闘士スパルタクスの反乱と呼ばれる奴隷戦争を主導した人物ですが、ハチャトゥリアンのバレエ音楽が有名ですね。

ヴァンデルローストの曲は1988年に作曲された新しい曲です。3つの部分と終結部からなり、奴隷、剣闘士としてのスパルタクスを表す第1部、つかの間の休息やロマンスを思わせる穏やかな第2部、ローマ軍との戦いを想起させる第3部と、回想シーンのようにこれまでに現れた音楽に基づく終結部で構成されています。

さて、10分間の休憩後、開演のブザーが鳴り、団員が入場し、下手から第2部を振って下さる矢野先生が入場します。そのときちょっとしたハプニングがありました。指揮台の上にまだ第1部のフルスコアが乗っていました。本来は誰かが第2部のスコアに変えておかなければならないところですが、手違いがあったようです。しかし矢野先生は慌てることなく、第1部のスコアを下に置き、指揮台の下にあったスパルタクスの譜面を落ち着いて指揮台の上に乗せました。そして視線を下にやり、ふーっと大きく息をつきました。そしてすっと視線をあげて、瞳を大きく開けて、団員を見ます。そのときの、目の力が凄かった。団員はみんな引き込まれたようでした。

そして、決して派手ではない最初の拍が振り下ろされたとき、ティンパニや低音楽器が不気味に鳴り響きます。なかなかいいじゃないか。主部のアレグロ、7/8と5/8が交互に繰り返される変拍子ですが、Iさんのティンパニ、いいぞ! Iさんは建築工学科、ちょうど卒論の中間審査が重なってしまったらしく、最後の1週間全く練習に出られませんでしたが、さすがです。その流れに乗って、金管、木管、他の打楽器も勇壮な音楽を奏でます。

 

第2部は緩徐楽章、フルートのソロから始まります。このソロ、拍子が書いていないんです。事実上のカデンツァ、吹くのは4年生のHくんです。彼の音色は当団の中では傑出しています。やはりあまり練習に出られなかったのですが、さすがです。難しい低音のソロをばっちり決めました。続いてながぐつのイングリッシュホルンのソロです。3カ所だけイングリッシュホルンに持ち替えるのですが、その中の1発目。3回のソロ・ソリの中では練習では一番不安定だったのですが、本番はうまくいって90点以上の出来! その後、ホルンは少し外したけれど、ユーフォの2重奏はさすが、4年のWさん、3年のKくんです。ばっちり決めて、ユニゾンへと導きます。広がりのある音楽だなあ。第2部の終盤に2発目のイングリッシュホルンの持ち替え、これも決まりました。

さて、いよいよ一番の山場、第3部、戦いを想起させる場面です。矢野先生の目力が一段と鋭くなります。打楽器から徐々に楽器が増えていき、フォルテッシモに・・・そして音楽は最高潮に・・・。おお~なんだこの音は~。こんな音出せるのか、この団は、と思って顔あげると、矢野先生が笑顔でタクトを振っています。やっときたか~、やっとこの音がきたか~って思っているように、ながぐつには見えました。金管のシングルタンギングもいいじゃないか。サックスのソリもいいぞ~。

 

しかしながぐつは聞き惚れている場合ではありません。終結部の最初に、3発目のイングリッシュホルン、それも裸のソロ、拍子のないソロ、事実上のカデンツァが待っています。今回の練習で最も練習したところです(あたりまえか)。出来は50点(T_T) 最後のトリルで音が切れてしまうと言う、練習で1回もやらなかった痛恨のミス! ああ~、ここまで第1部の交響的序曲から、すべてソロを成功させてきたのに、最後の最後でドジッタ。これですべて台無しです(T_T) しかし音楽は進みます。ピッコロのソロいい! ペットいい!あれちょっとはずしたか。 11/8拍子、OK、テンポアップ、終わった! 

 

矢野先生がお辞儀をして、会場、拍手です。矢野先生がまずフルートのHくんを立たせ、つづいてながぐつとオーボエのOくん、ホルンなど次々と立たせていきます。

さて、第2部のアンコールは同じヴァンデルローストの「カンタベリー・コラール」です。矢野先生が、曲の紹介をしてから、ゆったりとした曲が始まります。

音程がいまいち合わない。ちょっと集中力が切れたか。あったり合わなかったりしながら、進んでいき、終盤のトゥッティの重厚な和音は、何度も練習したお陰か、うまく響きました。最後、オーボエとイングリッシュホルンの絡みがあるのですが、一番集中力が切れていたのはながぐつでした。指を間違えてしまいました。ああ~、何をやってんだか。

僕は、キャリア30年の奏者であり、しかも学生が主役の舞台ですから、うまく吹けて当たり前、音楽を壊さないように目立たずにいるべきなのに、音楽を壊してしまって、少し悔いが残りました。

記事の間に録音を挿入しましたが、録音してくれたのは機材班のMくんやSくん。とてもクリアに録れています。さすがです。天井からつっているマイクではなく、客席の中頃にマイクを2本立てて録音していたのですが。今回が一番よく録れていたように思います。

ありがとうございました。(つづく)


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