ラヴェルのボレロと1984年 [オーケストラ]
前回、村上春樹さんの1Q84とヤナーチェクのシンフォニエッタの関係の記事を書きましたが、 1984年とラヴェルのボレロについても関係があることを発見しました。
ヤナーチェクのシンフォニエッタが初演されたのが1926年、一方ラヴェルのボレロは1928年の作曲ですから、ほぼ同時期に作曲されています。その約60年後、この2人の作曲家は自分の曲がこのように使われるなんて、思いもよらなかったでしょう。
ラヴェルのボレロが使われたのは、1984年のサラエボオリンピックです。フィギュアスケートのアイスダンス、イギリスのジェーン・トービルとクリストファー・ディーンのペアが使った曲でした。このときのテレビで見ていましたが、9人の審査員全員が6点満点をつけるといったまさに歴史的な名演技で、金メダルを獲得しました。このときのことは、伝説になっているようです。
曲はご存じの通り、スネアドラムのリズムに乗って2種類の旋律が交互に繰り返され、次第に高揚していって最後にクライマックスになって2小節のコーダで収束して終わります。
さまざまな特殊楽器が旋律を奏でるのが特徴です。
Wikipediaによると、その順番は以下の通りです。
- 第1フルート(ハ長調)
- 第1クラリネット(ハ長調)
- 第1バスーン(ファゴット)(ハ長調)
- ソプラニーノクラリネット(ハ長調)
- オーボエ・ダモーレ(ハ長調)
- 第1フルート(ハ長調)、第1トランペット(弱音器付き)(ハ長調)
- テナーサクソフォーン(ハ長調)
- ソプラニーノサクソフォーン→ソプラノサクソフォーン(ハ長調)
- ピッコロ(ホ長調とト長調)、ホルン(ハ長調)、チェレスタ(ハ長調)
- オーボエ(ハ長調)、オーボエ・ダモーレ(ト長調)、コーラングレ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調)
- 第1トロンボーン(ハ長調)
- フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とイ長調)、コーラングレ(ヘ長調)、クラリネット(ハ長調)、テナーサクソフォーン(ハ長調)
- フルート(ハ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調)
- フルート(ホ長調とト長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とト長調)、コーラングレ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調とト長調)、テナーサクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)
- フルート(ハ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調)、コーラングレ(ハ長調)、トランペット(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調)
- フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とイ長調)、コーラングレ(ヘ長調)、クラリネット(ヘ長調とイ長調)、トロンボーン(ハ長調)、ソプラノサクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とイ長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調とイ長調)、ヴィオラ(ヘ長調)、チェロ(ハ長調)
- フルート(ホ長調とト長調)、ピッコロ(ハ長調)、トランペット(ハ長調とホ長調とト長調)、サクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)
- フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、トランペット(ハ長調とヘ長調とイ長調)、トロンボーン(ハ長調)、サクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とヘ長調とイ長調)
オーボエパートはなんと言ってもオーボエ・ダモーレが使われているのが特徴です。オーボエ・ダモーレが使われているのはバロック時代ではよくありますが、古典派以降の管弦楽曲で使われることはほとんどなく、このボレロ以外はRシュトラウスの家庭交響曲、ドビュッシーの管弦楽のための映像ぐらいだと思います。
武蔵野市民交響楽団在籍時に、この曲を演奏したことがあります。そのときは音大卒のトップ奏者がオーボエダモーレのソロを吹き、ながぐつは1stオーボエでした。この曲で1stオーボエはさしで重要ではなく、旋律が出てきてもユニゾンなのであまり面白くはありませんでした。
自分が気楽なせいもあって、周りのソリストたちがやけに緊張していたのを覚えています。まず出だしのフルートです。旋律のイメージはこのフルートソロによって決まってしまうので、嫌がおうにも緊張します。隣のフルート奏者は、僕がチューニングのAを出しているのに、チューニングを忘れていて、僕に諭されて、はっと我に返ったぐらいでした。
当時、ベルリンフィルのトロンボーン奏者がこの曲のソロを失敗して自殺したという噂が流れていました。今ネットで調べてみると、エッカート・ヴィーヴンナーという人で、試用期間中の日本公演でうまく吹けなかったのは事実らしいのですが、自殺したというのは真っ赤な嘘のようです。
ではそのベルリンフィルの1998年のヴァルトビューネコンサートでの演奏を、バレンボイムの指揮でどうぞ。(途中までです)
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おはようございます。
こんな動画があったのですね。興味深く拝見しました。
バレンボイムが手を下ろしているところが面白いですね。
八分音符の吹き方など奏者によって微妙に違うのも面白いなと思いました。
フルートはパユですね。若い頃のようです。
ソロ以外の部分も技量がもろに出てしまう怖い曲です。
ソロ奏者にとってはなおさらだろうと思うのですが、譜面自体はアマチュアでも演奏できますね。フルートは C管の最低音まで出て来るのでそういう点はきちんと吹ける人でないといけませんが。
でもやってみると滑らかな旋律を途切れなく安定して全ての楽器が受け取り受け渡すというのは難しいだろうなと思います。
長い休みの後で突然ソロの出番というのはいやですね。
トロンボーンの難曲として必ず挙がる曲ですが、あるトロンボーン奏者の話によると演奏は難しくないが誰もが「大丈夫かな」と妙な期待(?)を持って聴いているのが嫌だという事でした。難しいといえばモーツァルトのレクイエムのアルトトロンボーンの方が難しいとも。
この曲の演奏で最も強い印象を残したのはオーケストラではなくてシルヴィ・ギエムのバレエでした。昨年末 NHK の番組でアンコール放送で初めて視たのですがそれまで素晴らしいと思っていたジョルジュ・ドンのバレエより衝撃的で、動画を探して何度も視ました。
by センニン (2010-05-02 08:31)
オケのみなさまは大変なんですね?!
内側のことが垣間見えて興味津津です!
by tamanossimo (2010-05-02 09:10)
やはり一番長時間活躍するのはスネア・ドラムでしょうか。
ハープも出番が多そうですね。
この曲、最近では「のだめ」のイメージです。
(先日テレビで見たので。)
センニンさんのコメントのシルヴィ・ギエムの踊りが有名ですね。
by Cecilia (2010-05-02 12:20)
センニンさん、コメントありがとうございます。
今から10年以上前の動画ですね。パユがベルリンフィルを一時離れるまでですね。隣のオーボエのマイヤーも若いです。
バレンボイムは最近の映像もよく見ますが、ご覧になった映像のように、全く指揮をしないときが結構あります。相手がユースオケでもそうです。練習でやるべきことはすべてやってあるということなのかもしれません。
この曲は弦はあまり関係ないのですが、管楽器・打楽器セクションの総合力がわかる曲で、ほとんどのソリストがうまく吹けても、1人だけでも失敗すれば、悪い印象を聴衆に持たれてしまう。、恐ろしい曲です。トロンボーン奏者の方のおっしゃるように、特にアマオケは、演奏する側もハラハラしますね。
by ながぐつ (2010-05-02 20:37)
tamanossimoさん、コメントありがとうございます。
アマオケは楽しんでやっているはずなのですが、おっしゃるようにいろいろ大変です。演奏面だけではなく、演奏会の準備とか練習日程・場所の確保とか・・。プロオケではマネージャーの仕事もみんな自分たちでやらなければなりませんので(*^_^*)
by ながぐつ (2010-05-02 20:44)
Ceciliaさん、コメントありがとうございます。
この曲はおっしゃるとおり、最後の2小節を除き、スネアドラムがずっと同じリズムを刻んでいなければならないので、15分間、寸分の狂い無く、ドラムをたたき続けることができなければなりません。プロ奏者にはできて当たり前のことでしょうが、そんなに演奏機会のないアマにとっては、極度の緊張の中で演奏するから、大変だと思います。
「のだめ」、マルレオケの力量が試される曲でしたね。千秋が振っていたのを、僕も思い出しました。
by ながぐつ (2010-05-02 20:52)
この曲とても有名ですが、You tubeなど映像の時代に入り、オケのメンバーを1人1人紹介するような感じの曲だなあと思ってました。その分、オケの人は緊張されるのでしょうね。
by yablinsky (2010-05-03 08:29)
おはようございます。
DVD を探したら Amazon では品切れでしたが HMV のサイトに在庫があったので注文しました。情報ありがとうございます。
by センニン (2010-05-03 09:10)
yablinskyさん、コメントありがとうございます。
そうですね。いやがおうにもソリストに注目が集まりますね。
コンサートで聴くと、どこにソリストがいるんだろうかと、はっきりわかりませんが、映像では、ソリストをアップにして映しますからね。
楽器の種類を覚えるには絶好の曲ですね。
by ながぐつ (2010-05-04 08:10)
センニンさん、コメントありがとうございます。
DVDを注文なさるとは驚きです。この演奏が気に入っていただいて、紹介のしがいがありました。
しかしヴァルトビューネコンサートは毎年あるのに、よく10年以上前のバレンボイムの指揮のがDVD化されているものだと思いました。
by ながぐつ (2010-05-04 08:12)
プロのオケでも大変な曲というのが、先日生で聴いての感想です。
単純な曲で、ソロがこれだけ登場する曲というのも珍しいでしょうから、演奏する方は緊張するでしょうね。
by nyankome (2010-09-15 00:26)
nyankomeさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、プロでも大変な曲だと思います。特にうまく吹けて当たり前の立場ですからね。緊張してもおかしくありませんです、はい。
by ながぐつ (2010-09-15 07:51)
お風呂で洗いっこ楽すぅぃぃぃぃ!!ヽ(*´ー`*)ノ
若い女の子にあんな体中さわられたの初めてだぜぇぇぇ!!
もー我慢できなくてベッドに戻るまでに3回もヤっちまった!!
これやってたら風 俗とか行く気なくなるわ(笑)
http://fwiknko.jp.mg999.info/fwiknko/
by 熊五郎 (2011-04-09 00:45)